RC MEDIA

お役立ちコンテンツ

YouTubeマーケティングの戦略・成功事例【2021年版】

YouTube

このページでは、YouTubeマーケティングの基本を解説します。注目される理由や、代表的な戦略パターン、企業チャンネルの成功事例を知ることで、「YouTubeマーケティングってなに?」という疑問が解けるはずです。

後半では、YouTubeマーケティングに役立つツールや、YouTube広告を詳しく解説した記事の紹介も行っていますので、ぜひ最後までご覧ください。

YouTubeマーケティングとは?今、注目される理由

ここでは「YouTubeマーケティング」という言葉が何を指すのかと、今YouTubeマーケティングが注目されている理由を解説します。

YouTubeマーケティングは「動画によるWebマーケティング」の一種

YouTubeマーケティングとは、YouTube動画(映像)を活用して自社製品の売上を伸ばしたり、自社サービスの利用者を増やす集客の手法です。

Webマーケティングの手法には、コンテンツマーケティングやSNSマーケティング、動画マーケティングなどがあり、動画マーケティングの中でも特にYouTubeを使ったものを指します。

注目される理由は「YouTube利用者が圧倒的に多い」から

参考:令和元年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書|総務省

YouTubeは世界でもっとも利用者数の多い動画プラットフォームです。日本でも同様で、総務省が行った調査によると実に76.4%の人がYouTubeを利用しており、10~20代では90%以上、30~40代では80%以上という高い利用率となっています。

さらに世界に目を向けると、インターネット人口の1/3に相当する20億人以上のYouTubeユーザーがいます。しかも、ユーザーは国に関係なく動画を検索・視聴できるため、特別な手続きなく製品や動画を世界中にアピールすることが可能になります。

参考:YouTubeAbout

YouTubeのマーケティング戦略:代表的な4タイプ

 YouTubeをマーケティングに活用する理由がわかったところで、次に代表的な戦略を見ていきましょう。ここでは4つのパターン紹介します。

YouTube広告を出稿する:スタンダードで効果的な方法

企業がYouTubeを使って製品やブランドの知名度を向上させようと考えたとき、最初に候補に上がるのがYouTube動画広告への出稿です。さまざまな動画チャンネルが乱立する今、新たにチャンネルをスタートし、人気チャンネルにまで育てるのは簡単ではありません。コストはそれなりにかかりますが、広告出稿は確実な方法です。

YouTubeは視聴者層が幅広いうえに、Googleがウェブで培ったパーソナライズド広告(そのユーザーが興味・関心をもっていることを予測して表示する広告)の技術が生かされており、製品やブランドに興味を持ってくれるであろう視聴者に効率的にアプローチできます。さらに「ターゲティング」といって、「どのようなユーザーにアプローチするか」を出稿時に指定することもできるのです。

YouTubeの広告については、概要を以下の記事に詳しくまとめています。ぜひご覧ください。

YouTube広告とは?|種類・費用・設定方法などの仕組みを詳しく解説します

YouTuberを起用した「案件動画」で知名度アップ:専門チャンネルへの依頼も効果的

すでに人気を確立しているYouTuberにギャランティを支払い、動画内で製品やサービスを紹介してもらう方法もあります。YouTuberの間では「企業案件」や「案件動画」と呼ばれ、視聴者にも知られています。

企業からアプローチする際は、事務所に所属しているYouTuberであれば事務所と、個人で運営しているYouTuberであれば直接と本人と交渉します。人気YouTuberは影響力も大きくギャラも高額です。事務所に所属している場合、初回の依頼時は希望のYouTuberをアサインしてもらえず、条件に合った他のYouTuberを紹介される場合もあります。

なお、最近は本人のキャラクターというよりは、内容を売りにする専門チャンネルが増えており、「コスメ」や「ガジェット」など特定の分野に影響力を発揮する「マイクロインフルエンサー」と呼ばれるYouTuberが増えています。ギャラが比較的安く、ファンとの距離感が近いので、狙ったユーザーに深くアプローチしやすいという特徴を持っており、依頼する企業が増えています。

動画を作り人気チャンネルに育てる:難易度は高いが成功すれば大きな財産に

自社のサービスや製品をアピールしたい場合、自前のチャンネルを持ち、視聴者に興味を持ってもらえる動画を作るのも王道といえます。ファンを増やすために話題になるような動画を数多く作成し、コメント欄を通じてファンとコミュニケーションを取るのもよいでしょう。

2020年以降はYouTubeの視聴者数の増加とともにチャンネル数も爆発的に増え、チャンネルを成長させることは以前より難しくなりました。人気チャンネルになるための長期的な戦略が必要となり、InstagramやTwitterなどのSNSと共に育てていくことも大切です。そのかわり、人気チャンネルにまで育てられれば大きな財産になります。

VSEOで検索需要を狙う:潜在的な顧客に向けた検索最適化を行う

VSEOとは「Video Search Engine Optimization」の略で、「動画におけるサーチエンジン最適化」を指します。Webマーケティング担当者なら耳にしたことがあるSEO対策の動画版です。

YouTubeは世界有数の検索エンジンとしても機能しており、さらに適切にVSEOされたYouTube動画はGoogle検索の結果にも表示されます。ウェブサイトと同じようにSEO対策を施すことで閲覧数アップが期待できるのです。

この方法なら、動画が「バズる」状態にならなくても、閲覧数をジワジワと伸ばせます。たとえ動画で取り上げる製品やサービスがニッチで、需要が細々としたものでも、適切にVSEO対策をすれば潜在的な顧客に動画を見つけてもらえるのです。

企業によるYouTubeマーケティングの成功事例を知ろう

YouTubeマーケティングの方法がわかったところで、今度は成功している企業チャンネルを見てみましょう。

RETRIP(リトリップ):料理人の「手元」をひたすら見せる動画が大人気

https://www.youtube.com/channel/UC9Kqdr5tllNbXGSCRfRfiig

旅行・おでかけメディア「RETRIP(リトリップ)」のYouTubeチャンネルです。当初は自社メディアの記事に準じた「おすすめの観光スポットBEST10」などの動画をプロのナレーションつきで作成していたものの、再生数はふるいませんでした。

ところが、さまざまな飲食店に出向き、料理人が調理している「手元」を撮影した動画が大ブレイク。テレビ的なお決まりの紹介ナレーションや、スタッフや料理人の顔出しは基本的にありませんが、プロの仕事を静かに淡々と見られるシンプルさがウケています。

登録者は10万人ほど(2021年4月現在)で、人気の動画は600万再生オーバー。店舗での撮影は一般のYouTuberには難しい内容でもあり、メディアであることのメリットを最大限に生かした内容となっています。自社の武器を生かした好例といえるでしょう。

GoPro(ゴープロ):「製品を買ったらできること」がワクワク感とともに伝わる動画

https://www.youtube.com/c/GoPro/

押しも押されぬ人気アクションカメラ「GoPro」。まさにYouTubeの申し子ともいうべき製品であることは確かながら、それに甘んじることなくコストをかけて撮影を行い、動画を精力的にアップロードしています。

YouTube内で「GoPro」と検索したユーザーが、言語に関わらず「見ればわかる」内容になっているのも特徴です。チャンネル登録者は実に1000万人を超え、もっとも人気の動画は2億回というケタ違いの再生数を誇ります。

スケボーやサーフィン、自転車などのアクションを一人称視点で撮影した没入感の高い動画が特に人気で「この製品を買えば、こんなことが出来るのか!」ということが、ワクワク感とともに伝わるのが支持される大きな理由と考えられます。

楽待(らくまち):不動産オーナーが知りたい情報を動画でわかりやすく

https://www.youtube.com/user/RAKUMACHI/videos

楽待(らくまち)は投資用の不動産物件(収益物件)を掲載する老舗の専門サイトです。不動産情報を掲載し仲介するほかに、収益物件のオーナーやその予備軍に向けてさまざまな不動産コラムを掲載してきました。

YouTubeでは、その不動産コラムを発展させた動画を精力的に掲載。建築士から特殊清掃業者までさまざまなジャンルのプロ・専門家をゲストに呼び、収益物件オーナーのためになる情報や、誰に聞いていいかわからないような情報をわかりやすく発信しています。

登録者は20万人ほど(2021年4月現在)で、100万再生超えの動画は6本もあります。不動産オーナーになることを現時点で検討していない一般の人にとっても興味深い内容のものも多く、将来的な顧客になる可能性のある人に自社サイトを知ってもらうきっかけにもなっています。

YouTubeマーケティングに役立つツールを知ろう

自社でYouTubeマーケティングを試みるとき、どのような方法で分析をすればよいのでしょうか。ここでは、マーケティングに役立つ代表的なツールを紹介します。

YouTubeスタジオ:チャンネル運営に必須!使いこなしたいYouTube標準ツール

https://studio.youtube.com/

YouTubeスタジオは、YouTube標準のツールで、チャンネルを開設すれば誰でも無料で使えます。自身のチャンネルへの動画のアップロードや、公開中の動画の簡易的な修正、チャンネルの各種設定やカスタマイズ、収益の管理などが可能です。

また「アナリティクス」機能も最初から備わっています。ウェブの場合Googleアナリティクスへの登録や設定が必要ですが、その手間がないのは便利です。登録者数やアクセス数、平均視聴時間や視聴者の年齢・性別などの属性をはじめ、さまざまな項目を分析できます。

◆YouTube標準機能のため無料で使用可能

ahrefs(エイチレフス):任意のキーワードがYouTube上でどのくらい検索されているかがわかる

https://ahrefs.com/ja/youtube-keyword-tool

ahrefs(エイチレフス)は、Googleやbingなどの検索エンジンだけでなく、AmazonやYouTubeで検索されているキーワード分析もできるツールとして、SEO担当者やWebマーケターに知られています。

YouTubeで検索されているキーワードのリサーチは「YouTube Keyword Tool」から可能です。任意のキーワードと国を指定するだけで、YouTube上でどのくらいの回数検索されているかが表示され、動画と関連性の高いキーワード候補も多数提示してくれます。

これらはYouTubeにおける動画作成時のアイデアになりますし、視聴者がどのような動画を求めているかニーズを的確に捉えるヒントとなることでしょう。

◆一部機能は無料で使用可能

◆有料版は7日間のトライアルあり

NoxInfluencer(ノックスインフルエンサー):ライバルチャンネルのパフォーマンスをチェック

https://jp.noxinfluencer.com/

NoxInfluencer(ノックスインフルエンサー)は、YouTubeチャンネルのほか、InstagramやTikTokのアカウント分析が可能な、動画とSNSマーケティングに便利なツールです。

特定のYouTubeチャンネルのURLを入力することで、チャンネル登録者数の推移や登録者分析(登録者の性別や所在地など)、動画のパフォーマンス(評価数やコメント数)をグラフでわかりやすく示してくれます。

Google Chromeの拡張機能を使えば、わざわざURLを入力しなくてもYouTube上で確認できます。チャンネルだけでなく、動画単体のパフォーマンスチェックが可能です。YouTube版のSimilarWeb(シミラーウェブ)と考えるとわかりやすいでしょう。

◆登録不要。無料で使える

◆Google Chromeの拡張機能あり

YouTube広告の詳しい仕組みについてはこちらの記事をご覧ください

YouTube広告については、以下の記事で詳しく解説しています。YouTubeに用意されている広告の種類や、出稿にかかる費用、実際の設定方法などについては、ぜひこちらをご覧ください。

YouTubeチャンネルの作成方法はこちらの記事をご覧ください

実際にYouTubeチャンネルやYouTube広告をはじめるときは、最初にチャンネルの作成が必要です。詳しい方法を画面のキャプチャを交えて解説していますので、ぜひこちらの記事もご覧ください。

この記事を書いた人

Yuki Chiba
Yuki Chiba
コピーライターとして数多くのナショナルクライアントを担当後、2015年より動画マーケティングのスタートアップに参画。マーケティング戦略、メディアの立ち上げ、クリエイティブ企画制作、事後調査まで一連に従事。主な担当は、UNIQLO/資生堂/日本生命/ハーゲンダッツジャパン/サンスター/JAL/スクウェアエニックス等のデジタルマーケティング。「広告電通賞・デジタル部門最優秀賞」「LION賞」「第57回JAA広告賞 デジタルメダリスト」など

PLEASE ASK US!