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YouTube広告とは?|種類・費用・設定方法などの仕組みを詳しく解説します

YouTube

私達にもっとも身近な動画の広告といえば、YouTube広告です。YouTubeは他の動画プラットフォームに比べユーザーが圧倒的に多く、利用者層も幅広いため、広告を出稿することでさまざまな人に訴求できます。

 もし、動画広告の出稿・配信を考えているなら、最初にYouTube広告を検討するのがおすすめです。このページでは、YouTubeの広告の種類・費用・設定などについて詳しく解説していきます。

右肩上がりの動画広告市場、利用者が増え続けるYouTube

 動画広告は、今後3年で2.3倍もの成長が見込まれる注目の市場です。そして、YouTubeの利用者数も年々伸び続けています。詳しく解説します。

動画広告市場は今後3年で2倍以上成長する見込み

 ここ数年の動画広告市場は、右肩上がりの成長を見せています。また、今後一層の成長も見込まれています。

 サイバーエージェントが2020年12月に発表したデータによると、2020年の動画広告市場は、前年比114%となる2,954億円に達し、2021年には3,889億円、2024年には実に6,856億円に達する見込みです。今後の3年で2.3倍もの成長が期待されているのです。

サイバーエージェント:2020年国内動画広告の市場調査を発表

画像引用元:2020年国内動画広告の市場調査を発表|株式会社サイバーエージェント

ゲームから医療まで。参入業種は多岐にわたる

 2019年にビデオリサーチが行った動画広告出稿料の調査によると、ゲームやブロードバンドコンテンツ、結婚相談所、飲食関連が上位を占めることがわかります。

 10位までを見ていくと、金融や住宅、自動車や交通、さらには医療まで、さまざまな業種が動画広告を出稿していることがわかります。今後、動画広告市場の成長に伴い、さらに多様な業種の出稿が予想されます。

参考:2019年上期の動画広告出稿量|ビデオリサーチ

日本人の4人に3人がYouTubeを利用している

 YouTubeはもっとも利用者数の多い動画プラットフォームです。総務省が令和元年に行った調査によれば、全世代平均で76.4%もの人が利用しています。

 詳しく見ていくと、10代・20代は90%以上、30代・40代でも80%以上の人が利用しています。さらに、60代でも44.8%の人が利用しており、利用者数そのものも年を追うごとに増え続けています。

参考:令和元年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書|総務省

YouTube広告はこの先数年で最も有力な動画広告

 これらの背景を鑑みると、YouTube広告は、現在、そして少なくともこの先数年において、最も効率的かつ効果的にユーザーにアプローチできる動画広告と考えられます。

 次の項目からは、YouTubeに広告を出稿するにあたって理解しておきたい基本的な事柄を説明します。

YouTube動画広告”5種類”と課金方式

 では、YouTubeにはどのような動画広告が用意されているのでしょうか。まずは、YouTubeの動画広告5種類の特徴と、広告費用の概要を一覧で説明します。

①5秒でスキップできる「インストリーム広告」

 5秒見た時点でスキップボタンが現れる、もっとも多く目にする広告です。動画の長さに制限はなく、3分など長いものも作成可能ですが、実際には30秒程度の長さのものが多くなっているようです。

【課金方式】

 30秒以上見られた回数、もしくはリンクなどをクリックした回数が、1000回になるごとに広告費用が発生する「CPM」方式となっています。

画像引用元:http://www.richmediagallery.com/formats

②スキップできない6秒動画「バンパー広告」

 「自動再生広告の平均視聴時間が一人あたり約5.7秒」というデータに基づき、視聴者が不快に感じづらい6秒間をスキップなしで流すのが「バンパー広告」です。以前存在した、30秒スキップできない広告が不評だったことから生まれました。

【課金方式】

 視聴者に1000回表示されるごとに広告費用が発生する「CPM」方式となっています。

画像引用元:http://www.richmediagallery.com/formats

③サムネイルと広告文で誘導する「ディスカバリー広告」

 YouTubeの検索結果、動画再生ページ、YouTubeアプリのトップページに表示される広告で、動画そのものではなく、サムネイル画像と3行までの広告文を表示します。興味のあるユーザーだけ広告をクリックするため、高いコンバージョン率を保てます。

【課金方式】

 視聴者が広告に興味を持ってクリックしてはじめて費用が発生する「クリック課金」方式となっています。

画像引用元:http://www.richmediagallery.com/formats

④大規模キャンペーンに適した「マストヘッド広告」

 YouTubeのホーム画面に、ミュート状態で流すのが「マストヘッド広告」です。多くの人の目に触れる場所で、最大30秒再生可能です。効果が大きい分、相応の予算も必要です。

【課金方式】

 固定の日別単価(CPD)、もしくは固定のインプレッション単価(CPM)での課金となります。Google広告チームによる個別の見積もりが必要です。

画像引用元:http://www.richmediagallery.com/formats

⑤YouTube以外で動画を流す「アウトストリーム広告」

 YouTubeにアップロードした動画を、YouTube以外のウェブサイトやモバイルアプリで表示する広告です。静止画での広告より目を引くこと、普段YouTubeを見ない層にもアプローチできることがメリットです。

【課金方式】

 広告の面積の50%が2秒以上表示された場合を「1回の表示」として、これが1000回になるごとに広告費用が発生する「vCPM」方式となっています。

左からウェブ広告、インフィード広告、アプリ内の全画面広告の表示例(すべてモバイル)

画像引用元:http://www.richmediagallery.com/formats

YouTube動画広告のターゲットと予算の設定

 YouTubeで動画広告を掲載する場合、広告を誰に見せるかを決める「ターゲット」の設定と、広告費をいくらかけるかを決める「予算」の設定が必要です。広告を出稿するのであれば、特に慎重に決める必要のある部分でもあります。

①”広告を誰に見せるか”を決める「ターゲティング」

 YouTube広告では、広告を表示したいユーザーの属性や関心ごとを設定して、より効果的に広告を表示することができます。紹介したい商品・サービスと親和性の高い層にアプローチすることが重要です。

ターゲティング項目

  • ユーザー属性グループ:

年齢・性別・子供の有無・世帯収入を指定できます

  • 詳しいユーザー属性

大学生・住宅所有者・最近子供が生まれたなど、共通の特徴を持つユーザー層にリーチできます

  • 興味 / 関心

表示されたトピックを選択することで、それらに関心のあるユーザーをターゲットとして設定できます。

ランニングシューズの広告を「スポーツファン」に表示するか「熱心なマラソン愛好者」に表示するかといったターゲットの「深さ」の設定や、大学入学や結婚などを機に行動が変わるユーザーへの見込みアプローチも可能となっています。

動画ターゲティング

②予算設定は「1日あたりの上限額を設定する」のが一般的

 YouTubeの動画広告は、1日あたりの費用の上限を設定する方法が一般的で、1日500円~1000円程度でスタートするケースが多いようです。

 費用は固定ではなく、配信枠ごとの入札(オークション)形式になっています。同じターゲティング設定をしている広告主が2社あった場合、広告が表示される直前に自動で入札が行われ、1円でも予算の高い広告が流れる仕組みです。

 そのため、広告が表示されない、または表示されすぎるケースも発生します。そういった場合は、予算を上げることで表示を増やしたり、予算を下げて広告の露出を減らすなどの調整も可能です。出稿後もこまめに状況をチェックすることが大切です。

広告予算

YouTube広告を始めるまでの3ステップ

 では、YouTubeで動画広告を始めるためには、具体的にはどんな手順を踏む必要があるのでしょうか。ここでは、基本的な3つのステップをかいつまんで紹介します。

①広告として流す”動画を作る”

 まずは、広告として流すための動画を用意します。

 インストリーム広告の場合、動画の長さに制限はありませんが、最初の5秒で視聴者の関心を引き、それ以降も見てもらう、もしくはリンク先などをクリックしてもらうことが大切です。

 いっぽうのバンパー広告は、6秒以内で製品やサービスの魅力を効果的に伝える難しさがありますが、必ず最後まで見てもらえるのはメリットです。

 また、PCとスマホ、どちらの視聴者に訴えかけたいかによって、動画の縦横比を変えるのもよいでしょう。通常は16:9の横長ですが、スマホユーザーに特化するなら9:16の縦長のものを使うと効果的です。

 YouTubeを運営するGoogleは、縦型動画でYouTube広告を配信したときのクリック率(CTR)が、横型の1.7倍に増えた事例を公表しています。このことからも、スマホの縦長画面を有効に使うことが、ユーザーの行動促進に繋がることがわかります。

参考:YouTube 広告 1,000 本以上の分析でわかった「アクション」につながる広告、つながらない広告|Think with Google

動画制作

②YouTube上に動画を”アップロードする”

 広告のための動画が完成したら、YouTube上にチャンネルを開設してアップロードを行います。すでに、Google Adsのアカウントを持っているのであれば、そのまま使えます。このとき、チャンネル名やプロフィール写真の設定なども行います。

③管理画面で”広告の設定”をする

 動画のアップロードが完了したら、管理画面上で入稿の設定を行います。管理画面の右側から「キャンペーン」→「新しいキャンペーンを作成」と進み、キャンペーンのタイプ「動画」を選択します。

 その先は、YouTubeの誘導に従って、ターゲットや予算、広告を配信する日程を入力していきます。

YouTubeによる動画の審査あり。スケジュールには余裕を持って

 アップロードした動画は、すぐに広告として配信できるわけではありません。YouTubeのポリシーに反していないかの審査が行われます。

 この審査には数日かかる場合もあるので、時間に余裕を持ったスケジュールを組むことが大切です。なお、YouTube動画の詳しいポリシーはコチラの「広告ポリシーの概要」で確認できます。

YouTube広告

これでYouTube広告の基本はバッチリ

 YouTubeはもっとも有力な動画広告プラットフォームですが、いざ始めようとすると、馴染みも薄く、意外と複雑でわかりづらいもの。ですが、ここまで読んでいただけたなら、基本的な仕組みは理解できたはずです。

 具体的なターゲティングや、効果的な予算設定については、すでにウェブ広告の出稿経験があれば、そこまで難しいことではないかもしれません。ですが、広告用動画の作成は、従来の広告作成とは異なる技術が必要で、自社ですべて行うには負担が大きいのが現状です。

動画広告の制作はプロに任せるのも有効な方法

 バナーや静止画での広告と違い、動画広告の作成はさまざまな技術を要します。動画広告を出稿するのであれば、まずは経験あるプロに相談するのが近道ですし、コストの抑制にも繋がります。

この記事を書いた人

Yuki Chiba
Yuki Chiba
コピーライターとして数多くのナショナルクライアントを担当後、2015年より動画マーケティングのスタートアップに参画。マーケティング戦略、メディアの立ち上げ、クリエイティブ企画制作、事後調査まで一連に従事。主な担当は、UNIQLO/資生堂/日本生命/ハーゲンダッツジャパン/サンスター/JAL/スクウェアエニックス等のデジタルマーケティング。「広告電通賞・デジタル部門最優秀賞」「LION賞」「第57回JAA広告賞 デジタルメダリスト」など

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