マーケティングの基礎知識 4P・4C・SWOT分析・3C分析って何?
「マーケティング」という言葉を聞いたことはあるけれど、自分自身の言葉で説明できるかと言われると難しいですよね。
マーケティングの定義は時代や企業によって様々に違い、変化します。そのため、マーケティングの定義は難しいです。今回はそのなかでマーケティングを考える上で基礎となる考え方を説明していきます。
1.マーケティングの基礎を知ろう
「マーケティング」の定義は様々な解釈がありますが、今回は日本マーケティング協会とドラッガーの定義を引用します。
マーケティングとは、
日本マーケティング協会
企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、
公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動である。
マーケティングの理想は、販売を不要にするものである。
マネジメント[エッセンシャル版] - 基本と原則(2001/12/14)
日本マーケティング協会の話ではマーケティングは「顧客のニーズに合ったものを提供する市場を作り出すための活動」となり、ドラッガー氏の話からも「顧客が自然に欲しいと思う仕組み作り」と話されています。
顧客からの視点では蒸気のようなことが言えますが企業視点から考えると、 「最もよく売れる仕組みを作り出す活動」ということでしょう。それでは実際にどのように その仕組みを作っていくのでしょうか?
マーケティングに関しての活動を企業であげると大きく分けて以下5点あります。
・調査
・製品・価格決定
・プロモーション
・流通
・顧客・環境関係などの流れ
そのなかですべてをマーケティング担当者がするわけではありません。しかし、マーケティング全体を上手く回したいのであれば、その全体を知って動く必要があります。
例えば製品の価格に関しても市場価値を度外視して高くつくってしまっては売れませんし、逆に安すぎてもプロモーションに悪影響がある場合があります。その全体設計をする際に必要なのがマーケティングの基礎的な考え方です。そのため、商品企画担当者や広報担当者だとしても「自分はマーケティング担当者でないからしなくてもいいや」ではなく、考えた上で商品を開発していく必要があるのです。
2.これからのマーケティングの基礎
マーケティングも時代とともに変化しています。「商品の大量生産、大量消費」の時代から「顧客の自己実現のための商品」へと変化してきています。
顧客のニーズを考えるようになった今、以下4つのステップで戦略を練って行くことが多いです。
・調査/分析(セグメンテーション)
・誰に(ターゲティング)
・どんな価値を(ポジショニング)
・どのように提供するか(ポジショニング)
誰がどの商品をどんなニーズで買っていくのかを調査し、誰にどのような価値をどのように提供するかを決めることが重要です。
詳しくは「マーケティングとはどういう意味?【10分でわかる入門編】」で確認してみてください。
3.マーケティングの基礎知識
ここからはマーケティングを考えて行く上で必要な基礎知識を紹介します。どのように違うのか、何のために使用するのかを知って次のステップに進んでくださいね。
PEST分析→3C分析→SWOT分析(マーケティングの環境の分析)→4P,4C(具体的戦略)で行っていくと効果的です。
3-1.マーケティングの基礎-PEST分析-
3-1-1.PEST分析とは
PEST分析(ぺすとぶんせき)とは
Political(政治的)
Economic(経済的)
Social(社会的)
Technological(技術的)
の頭文字を取った造語で、マクロ環境を網羅的に見ていくためのフレームワークです。一つのことに偏らず幅広い目線で外部環境について考えていくことで自社に与える影響を減らすことが目的です。
3-1-2.PEST分析を実践
政治的要因 | 法律の改定(規制緩和・強化)・税・裁判制度・判例 |
経済的要因 | 景気・物価・金利・為替・株価 |
社会的要因 | 自然環境・教育・世論・人口・宗教 |
技術的要因 | 新技術の普及・特許 |
PEST分析を行う際には情報収集が重要です。それぞれ4つの視点で探り、MECE(漏れなくダブりなく)で表を埋めてみてください。
3-2.マーケティングの基礎-3C分析-
3-2-1.3C分析とは
3Cとはマーケティング環境分析のフレームワークでマーケティングの環境を分析します。頭文字が3つともCなので3C(さんしー)といいます。
・Customer(市場・顧客)
・Competitor(競合)
・Company(自社)
関係性の分析をするので顧客、競合が完全に分離している訳ではなく、顧客が競合になり得る場合も競合が顧客になり得る場合もあります。また、競合といっても同じ商品を売っているからといって競合になるわけではなく、どのような価値を顧客に提供しているのかが重要なのでそこを考えるのも必要になります。
例えば、パチンコとスマホゲームは一見全く違うものに見えますが、顧客が求めている価値は「暇な時間を潰せる楽しさ・中毒性」だったりするので競合になり得ます。逆に自身が飲食店を経営しており隣にお店ができたからといってパンケーキ店と居酒屋では狙う客層が大きく異なるため、客足に大きな影響を受けるわけではないのです。
3-2-2.3C分析を実践
3C分析を行う場合はとにかく調査が不可欠です。自社の顧客は誰か、その顧客が欲しい価値は何かを洗い出してください。自社のことを一番良く知っているはずなので①自社②市場・顧客③競合の順番で洗い出すとやりやすいかも知れません。また、商品によっても競合や市場が違うので注意してください。
3-3.マーケティングの基礎-SWOT分析-
3-3-1.SWOT分析とは
SWOT分析とはマーケティング戦略立案における環境分析ステップで、自社の環境要因を考える手法です。頭文字がをとって「SWOT分析(スウォットぶんせき)」と呼ばれています。
Strength(強み)
Weakness(弱み)
Opportunity(機会)
Threat(脅威)
内部環境と外部環境においての強みと弱みを明確にすることによって戦略目標を立てやすくなります。
3-3-1.SWOT分析を実践
SWOT分析で、解釈を導き出すための材料が、PEST分析、3C分析でまとめたマーケティング環境情報です。SWOT分析で、「事実情報を解釈」し、「戦略目標」を設定します。
自分たちの強みを活かして機会にのれるのか、いかにブルーオーシャンにいけるのかでビジネスの勝機が見えてきます。
3-4.マーケティングの基礎-4P-(マーケティングミックス)
3-4-1.4Pとは
マーケティング環境分析が終わったら、今度はどのような戦略にするかを考えます。その際に使用するのが4Pです。4Pとは自社の製品や価格など元々持っているものを使い、他社とどのように差別化をして顧客を絞っていくのかを具体的に考えるものです。頭文字がすべてPから始まるので「4P(よんぴー)」と呼ばれています。
・Product (製品、戦略)
・Price (価格)
・Place(流通)
・Promotion(広告)
ポイントは”具体的”にするということです。例えばマクドナルドとモスバーガーの販売戦略は大きく違いますよね。マクドナルドは「安くて速く提供でき、美味しい」という戦略をとっているため4Pも同じ方向性ですよね。製品は美味しく安く、流通も多い(どこでもいつでも安定して手に入る)、広告も「100円マック」など安いことを打ち出しています。
逆にモスバーガーは高級志向のため4Pも「安い」という切り口ではなく生産地にこだわっている、フレッシュな野菜を提供という「安心安全で美味しい」方向性でPRしています。
この4つの方向性がバラバラだとよくわからない商品になってしまいます。そのためバラバラに戦略を練るのではなく、4つを一緒に考えて方策を考えていくと良いでしょう。
3-4-2.4Pを実践
4Pを考える場合にはターゲット設定を最初に行います。どのような顧客に何が求められているのかを明確にし、戦略を立てます。そのため、まずはターゲットをいくつか決め、その顧客に対しての4Pを考えるといいでしょう。
3-5.マーケティングの基礎-4C-
3-5-1.4Cとは
4Cとは4Pを企業目線と考え、逆に「顧客目線で考えよう」とし、「顧客が何を求めているか」によって差別化を考えるやり方です。頭文字がすべてPから始まるので「4C(よんしー)」と呼ばれています。
Product (製品、戦略)
Price (価格)
Place(流通)
Promotion(広告)
↑↓
Customer Value(顧客価値)
Cost(顧客にとっての経費)
Convenience(入手の容易性)
Communication(コミュニケーション)
考える内容はどちらも同じですが、顧客のニーズに沿って考えるという意味では新しい考え方と言えわれています。ちなみに4Cという考え方が出てくるまで4Pも顧客目線での考え方を含むと言われていました。ただ、顧客のニーズを中心に4Cは考えていくため、いままでになかった新しいアイディアも生まれやすくなるかもしれません。
3-5-2.4Cを実践
4Cも4Pと同じく、動いていきます。しかし、4Cの場合顧客側で考えることを必要とするのでより詳しい調査が必要となるでしょう。ニーズありきなのでより多くのパターンを考えることが必要となります。
4.マーケティング基礎まとめ
今回はマーケティングの基礎についてお話ししましたがいかがだったでしょうか。ほかにもマーケティングをしていく上での考え方やフレームワークは数多く存在しますが今回は入門編として4つをご紹介しました。自分の中での引き出しを増やしてマーケティングの考え方を深めていってください。