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アトリビューション分析とは?|意味や分析モデルなどを解説

マーケティング

ウェブ広告における”アトリビューション”は、「間接効果」といった意味で使われます。

すでにウェブ広告、動画広告、SNS広告などを活用している方は多いと思いますが、最終的なコンバージョンだけでなく、広告が消費者に与える間接的な効果を分析していない方は多いはずです。

このページでは、アトリビューション分析の意味と意義、基本的な方法、分析モデルの紹介を紹介していきます。最後まで読むことで、アトリビューション分析の基本が掴めます。

アトリビューション分析とは?

 消費者は、ウェブ上の広告で商品やサービスを知って、すぐに購入・申し込みをするとは限りません。高額商品になるほど検討期間は長く、検討開始から購入まで数ヶ月かかるケースもあります。

 その期間に消費者はさまざまな広告を目にし、直接的・間接的に影響を受けますから、どの広告が購入意思に強く影響したのかは、ひと目ではわかりません。つまり、一見購買に繋がっていないように見える広告が、重要な役割を果たしていることがあるのです。

 これらを”見える化”し、広告の間接的な効果を検証するための試みが、このページで解説するアトリビューション分析です。

アトリビューショ

なぜアトリビューション分析が必要なのか

 アトリビューション分析は、広告の効果を正しく評価し、費用を適切に配分したり、効果を高めたりするために必要です。

 従来の一般的な広告効果の評価は、購買に至った(コンバージョンした)「最終クリック」だけを評価していましたが、現在のウェブ広告は、ウェブ、ブログ、SNS、アプリなどの広告が協力しあい、購入に至るまでの流れを作りだしているため、それでは真の効果を把握できません。

アトリビューション分析を行うことで、

  • どの広告を見て商品を知って
  • 関連するどんなページを見て興味をもち
  • 最後にどの広告を見て購入・申込みを決断したのか

がわかり、適切な広告出稿・予算配分の決定に役立つというわけです。

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アトリビューション分析に向くケース、向かないケース

 とはいえ、どんなケースにもアトリビューション分析が効果を発揮するわけではありません。向く場合、向かない場合の具体例と、おすすめのケースは以下のとおりです。

◆検討期間の長い商品・サービスはアトリビューション分析が有効

 自動車や家電などの高額商品は、競合製品なども含めて数ヶ月検討することがあるため、その間に消費者はさまざまな場所で広告を目にします。こうした検討期間が長い商品は、アトリビューション分析に向きます。

◆検討せずに購入されがちな日用品などは向かない

 反対に、低価格の商品は広告を見てすぐ購入することが多いため向きません。どこで購入しても差の少ない、ティッシュや調味料のような日用品も同様です。これらは、アトリビューション分析で得られる効果はあまり期待できないといえるでしょう

◆アトリビューション分析がおすすめの方

  • 広告単体ではなく、マーケティング全体を最適化したい方
  • 広告コストのムダをなくし最適化したい方
  • 成果が出ていない広告が、本当に何も貢献していないか知りたい方
  • 間接効果の高い媒体を見つけたい方
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アトリビューション分析の方法・手順とは?

 アトリビューション分析は専用のツールを使用して行います。そのために必要なデータや、基本的な手順をかいつまんで解説します。

ステップ1.使用するツールを決める

 アトリビューション分析にはツールを使用します。Googleアナリティクスや、Adobeアナリティクス、国産のMIERUCA(ミエルカ)などのツールが有名ですが、他にもさまざまな企業から、有料・無料のツールがリリースされています。

ステップ2.データを用意する

 アトリビューション分析のためのデータの用意が必要です。現在出稿している広告、過去に出稿していた広告のデータ(CPA・コンバージョン数・予算など)を収集しましょう。

ステップ3.どの「アトリビューションモデル」を使うか考える

 アトリビューション分析は、すでに用意されているモデル(定型)を用いて行います。実際のユーザーの行動はひとりひとり異なり複雑ですが、モデルを用いて単純化することで、わかりやすく”見える化”します。

 この「アトリビューションモデル」は複数あり、自社製品の特徴に合わせて使い分ける必要があるため、次の項目で詳しく解説します。

基本的な5つのアトリビューションモデルの紹介

 アトリビューション分析を行うためのモデルについての解説です。ここでは、広く使われている5つの基本的なモデルを紹介します。

1.ラストクリック(終点モデル)

消費者が商品の購入前、最後に見た広告を貢献度100%とするモデルです。Google広告やYahoo!プロモーション広告のデフォルト設定で、一般的にもっとも多く使われます。

最終的な成果に結びついた接点を把握できるため、費用対効果が合わせやすいのがメリットです。一方、潜在的な顧客に対する広告の評価には向きません。

2.ファーストクリック(起点モデル)

消費者がはじめて商品と接点を持った、つまり最初に見た広告を貢献度100%とする、ラストクリックとは正反対のモデルです。

商品を認知していなかった消費者との接点を高く評価するため、新たな潜在顧客との接点を持ちたいときに有効です。

3.線形モデル(リニアモデル)

成果に結びついた広告の貢献度を均等に割り当てるモデルです。この図は広告が4つですが、ユーザーが5つの広告に触れて商品を購入したなら、20%ずつが5つとなります。

近年複雑化している広告において、どの接点が有効だったかを把握するのに役立ちます。そのかわり、一定量のまとまったデータを準備する必要があります。

4.減衰モデル

成果に結びついた広告の貢献度すべてに貢献度合いを割り当てるのは線形モデルと同じですが、割合が異なります。

最初の接点をもっとも小さく、ラストクリックに向けて貢献度が大きくなるように割り当てます。コンバージョンに近いほど貢献度が高くなるため、短期のプロモーションなどに適します。

5.接点ベースモデル

線形モデル、減衰モデルと同じく消費者が接点をもった広告すべてに貢献度を割り当てますが、特にファーストクリックとラストクリックの貢献度を最も高くするモデルです。

初回と最後の接点への貢献度を高く割り当てるため、コンバージョンに至る入り口と出口をバランスよく評価したい場合に有効な方法です。

分析を行う最大の目的は「広告費の再配分」

 アトリビューション分析を行うと、効果をあげている広告、効果の乏しい広告が見えてきます。どの広告が、消費者との有効な接点となっているか、つまりコンバージョンへの貢献度がわかるので、予算のかけすぎ、かけなさすぎが見えてきます。

これを元に、広告費用の再配分(リアロケーション)を行い、予算を増やす場所、予算を削る場所を決定しましょう。

今のフェーズに適したアトリビューションモデルを使おう

 上の項目で解説したアトリビューションモデルは、積極的に成長させたいフェーズなのか、手堅く拡大したいフェーズなのかで、使うものが変わってきます。

 上の図は、上にいくほど積極的に成長を図りたいときに向いているモデルになっています。いちばん上の「ファーストクリック」は、購入を検討しはじめたばかりの消費者に対してアプローチすることで、売上規模の拡大を狙います。費用対効果は多少下がりますが、知名度をアップしたいときには検討すべきです。

 一方で一番下のラストクリックは、まもなく購入する消費者への接触となるため、費用対効果が把握しやすくなります。すでに商品・サービスに知名度があり、手堅く拡大していきたい場合におすすめです。

最後に

このページでは、アトリビューションモデルについて解説しました。

 以前は、コンバージョンした顧客がやってきたページくらいしかわかりませんでしたが、現在では有料・無料のツールが数多く用意され、詳しい分析が出来るようになっています。

 今後のウェブ施策は、単体での管理でなく、統合管理できる体制が重要です。アトリビューション分析を活用して、コスト改善、コンバージョン最大化を目指しましょう。

この記事を書いた人

Yuki Chiba
Yuki Chiba
コピーライターとして数多くのナショナルクライアントを担当後、2015年より動画マーケティングのスタートアップに参画。マーケティング戦略、メディアの立ち上げ、クリエイティブ企画制作、事後調査まで一連に従事。主な担当は、UNIQLO/資生堂/日本生命/ハーゲンダッツジャパン/サンスター/JAL/スクウェアエニックス等のデジタルマーケティング。「広告電通賞・デジタル部門最優秀賞」「LION賞」「第57回JAA広告賞 デジタルメダリスト」など

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