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テストマーケティングでいち早くニーズを調査!手法や注意点

マーケティング

テストマーケティングは大規模な事業展開前に踏み切る前に、失敗するリスクを最小限に減らし、効率的にマーケティングを行っていくために必要な作業です。今回はテストマーケティングを行うことで成功した事例を踏まえながら、テストマーケティングのメリットを詳しく解説していきたいと思います。

1.テストマーケティングって何?

テストマーケティングは実際に商品を発売する前に試験的に販売したり、事前シュミレーションを実施し、その結果に基づいて本格的に販売を行う手法です。
最初から大規模な販売を行ってしまうと本当にユーザーニーズを満たすものではない場合、膨大な損失を生んでしまいます。

そのため、テストマーケティングを行い、「早く」「小さく」PDCAを回してみることが必要なのです。

2.テストマーケティングのメリット

ここではテストマーケティングを行うことでのメリットを説明していきます。

2-1.失敗するリスクの軽減できる

最初からいきなり製品を開発し、大量生産してしまった場合、思うように売れなかった際に大量の在庫を抱えてしまうことになります。そのため、テストマーケティングで客観的に自社の商品が売れるのかどうかを事前に検証し、起こりうるリスクを大幅に減らすことが可能です。

2-2.効率的に販売計画が立てられる

テストマーケティングによって実際にその商品が売れるかだけでなく、どの広告が有効なのかやリピート率など販売促進などの効果的な方法も明確化するので、効率的な販売計画が建てられます。

2-3.ターゲットを正確に把握できる

自社の商品やサービスが本当にターゲットにした顧客に合っているのかを把握できることもテストマーケティングのメリットです。20代女性向けに商品を開発したのにテストマーケティングを行ったことで何故か20代の男性の方にウケる可能性があったり、20代女性向けに商品を作成したつもりがずれていて全く売れなかったということも多々あります。そのためターゲットがずれていないことを確認するのも必要になります。

3.テストマーケティングの成功・失敗事例

テストマーケティングには成功もあれば失敗もあります。むしろ失敗するためのテストマーケティングなので今回は失敗例も挙げています。

3-1.テストマーケティングの成功事例

まずは成功事例をご紹介します。

3-1-1.テストマーケティング①コンビニ

コンビニのテストマーケティングは商品開発に欠かせないものになっています。以前は平均的数値のとれる静岡県でテストマーケティングが行われていましたが、現在では「限定商品」として売り出すことが主流です。

ヘルシア緑茶はメタボに悩む中高年向きの商品だったため、コンビニをよく利用する中高年ビジネスマンに向けてテストマーケティングを行い、健康志向の中高年を相手に大ヒットしました。

3-1-2.テストマーケティング②ECサイト

テストマーケティングは商品を販売するだけではありません。店頭販売が中心でHPをあまり充実させていなかった老舗和菓子店の事例を紹介しましょう。

いきなりオンラインでECサイトをオープンする前に、まずはHPで和菓子プレゼントキャンペーンを告知するページを制作し、プレゼントキャンペーンを行いました。その過程で和菓子好きのユーザー情報を収集することができたことにより、ECサイトで何を売るか、どんなターゲットにするかを決定しECサイトの構築と販売体制を準備することができました。

また、プレリリースを行ったことで本格的なECサイト稼働にも一躍得ました。

3-1-3.テストマーケティング③越境EC事業

こちらもEC事業に関しての成功事例です。日本ではなく外国向けのEC事業のため先程のものとは少し違っていますが、考え方はあまり変わりません。越境ECとは中国や東南アジアなどの外国の消費者がインターネットを通じて海外製の商品を購入し、その商品を国外から配送するシステムです。

日本ではあまり名のしれていない商品も海外で大当たりすることやじわじわと口コミが広がり購入されることがおおいため、中小企業でもチャンスが見いだせるものとなっています。

3-2.テストマーケティングの失敗事例

3-2-1.クリーム

国内の某化粧品会社は、「40代女性」に「肌の調子を良くする」という価値を提供しようと試みました。40代女性の肌に合うように保湿成分をたっぷり配合し、高級感あふれるパッケージで30グラム5,000円での販売。アラフォー女性がよく利用するデパートの化粧品売り場で販売を実施し、大ヒット間違いなしの期待が寄せられていました。

しかしこの商品、実際にはアットコスメでの評価は低く、リピーターも全く獲得できなかったため、テスト期間をもって発売中止となってしまいました。

というのも、実はテレビCMで宣伝を行った際、起用したのはなんと”20代”の人気女優だったのです。CMの宣伝効果により20代女性には一時的に売れたものの、40代用に作られたクリームは20代には濃厚すぎて、「べたつく」「肌に合わない」などの評価を受けました。

結果として、20代女性にも40代女性にも人気は出ず、お蔵入りとなる始末に。もしも40代の人気女優をCMに起用していたら、ロングセラー商品となっていたかもしれません。

3-2-2.ちょい生

先に紹介したセブンゴールドで成功を掴んだセブンイレブンですが、今年の7月に100円で生ビールが飲める「ちょい生」という新たな戦略も起こしています。今や各コンビニにおいて低価格でコーヒーが飲めるように、ワンコインで手軽に生ビールを楽しんでもらおうという新機軸の販売手法を実践。

ところが、試験販売を行う前から想像をはるかに上回る反響があり、需要が大きく高まった際の販売体制や品質保持が難しくなる可能性があるという理由から、セブンイレブン本部が販売中止を決定。今後は延期ではなく中止を貫く予定であると表明しました。

ほかにも、「飲酒運転を助長する」「店の前に酔っ払いが増える」といった否定的な意見がいくつか挙がり、コンビニとしてのイメージ悪化を避けるためにも、販売を中止したそうです。

ちょい生を楽しみにしていた方々からは反感や嘆きの声も寄せられ、期待値が上がった分、中止になってからしばらくはショックを感じる人も多くいました。

4.テストマーケティングのテスト方法

テストマーケティングの手法は多々存在します。簡易ではありますが以下のような手法が考えられます。ただ、この手法は自社製品やブランドによるため、参考程度にしてくださいね。

4-1.小売店、飲食店

・アンケート
・試食
・限定商品としての売出し
・商品のレイアウト変更など

4-2.メーカー、商品

・ヘビーユーザーやモニターの活用
・アンケート
・限定商品としての売出し
・お試し期間
・広告など

4-3.Webサービス

・レイアウト変更
・テキスト変更
・アンケート
・プレゼントキャンペーンなど

5.テストマーケティングの注意点

テストマーケティングで重要なのは、「売れるのか、売れないのか」だけではありません。ユーザーからフィードバックを受け、売れるための改善やどんな人が買ってくれているのかや売れる理由、商品の中身などの仮説を検証することが重要です。

5-1.ユーザーの「顕在ニーズ」だけを捉えない

日本マクドナルドの前会長である原田泳幸氏は、自身の著書の中で「リサーチで企画するな」と主張しており、マクドナルドで大ヒット商品となった「メガマック」や「クォーターパウンダー」もリサーチではなく、顧客の期待にどう応えていくかという視点によって生まれた商品であると語っています。

「どんな商品が欲しいですか?」とアンケートを行うと、若い女性を中心に「低カロリー」「ヘルシー」「オーガニック」といった健康志向の高い回答が挙げられます。しかし、実際にはメガマックやクォーターパウンダーなどを注文するお客さんが多く、ヘルシー重視のハンバーガーを注文する人はあまりいません。すなわち、顧客のニーズ=大ヒット商品という法則は必ずしも通ずるものではなく、お客様の期待にどのような対応をしていくかが、ヒット商品においては重要なようです。

5-2.実際の「買う」場面を想像する

「テストマーケティングを行わなくても、アンケートや質問といった手法でユーザー調査を十分に行えばいいのではないか」場合もあるかもしれません。しかし、ユーザーはアンケートや質問で「買う」と答えても、実際には買わないことが多いからです。

質問形式であれば、具体的に商品の情報を伝えたうえで「買いますか?」といった問いを投げかけ「買う」「買わない」の回答を得ることが出来ます。ただし、この調査だけでは本当に「買う」か「買わない」を把握するうえでは不十分です。

ほかの商品と比較し、やはり買わない場合もありますし、商品を実際に買う場面と同じ環境にしなければいけません。

5-3.「模倣」対策を要検討

3つ目の注意点としてテストマーケティングとして試験的とはいえ、世の中のサービスを販売することになるので、商品情報がオープンになります。競合他社や同じような商品・サービスを検討している企業の目にも入ることになります。自分たちが試験販売をしている間に、商品のアイデアやネーミングを真似されて、大量に資金を投下されてまるで自分たちの商品のように販売されてしまうリスクがあるので気をつけることが必要でしょう。

6.テストマーケティングでの実績は偶然かもしれない

テストマーケティングを行うことでリスクは下がりますがなくなるわけではありません。テストマーケティングではウケていたものでも本格的に売り出すと実はよくなかったという場合も存在します。そのため、テストマーケティングを過信しすぎず様々な面から考えることをしていってくださいね。

この記事が参考になれば幸いです。

この記事を書いた人

Kazutoshi Hase
Kazutoshi HaseRABBIT CREATIVE, inc. CEO
大学在学中に動画制作を始める。外資系製薬会社でセールス・マーケティングを学んだ後、Love it(大好き)こそが、Creative(価値を生む)という信念を持って、RABBIT CREATIVE, inc. を創業。「人生を変える可能性を、世界へ届ける」というミッションを掲げ、強くて優しい仲間とともに、日本一の動画マーケティング企業を目指している。

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