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マーケティングオートメーション(MA)とは?基礎から事例・会社紹介まで

マーケティング

皆さんはマーケティングオートメーション(MA)という言葉をご存知でしょうか。その名の通り、直訳すると「マーケティングを自動化する」という文言になります。

それではマーケティングを自動化するとはどのような意味でしょうか。
この記事ではマーケティングオートメーションという言葉の説明だけでなく、どのように実践するのかまで書いています。そのため、マーケティングオートメーションをこれからやってみたい!という人はどんどん挑戦してみてくださいね!

1.マーケティングオートメーションとは?

初めにもお話しましたが、マーケティングオートメーション(MA)とは簡潔にいうと「顧客開拓におけるマーケティング活動を可視化・自動化する」ことです。自動化と一言で言ってもわかりにくいですよね。
今回は自動化について説明します。

まず、新規顧客の開拓やユーザーに商品購入・サービス利用をしてもらうためには、それぞれの見込み客の行動や興味関心のあるものを知る必要があります。また、知りえた情報を活用し「最適な情報を」「最適なタイミング」「最適な方法で提供する」マーケティングが必要になってきます。

しかし、顧客ひとりひとりに対応するには時間と工数がかかります。そのため、購入してくれそうな新規の顧客集めばかりに注力してしまい、見込み客に対して手が回らないのが現状です。

そこで人がやっていたマーケティングのオペレーション部分を機械にしてもらい、効率化・自動化するために開発されたのがマーケティングオートメーションです。

そしてマーケティングオートメーションのソフトや機械のことをマーケティングオートメーションツールといいます。

1-1.何を自動化するか

マーケティングオートメーションで自動化できることには限りがあります。
どの部分をオートメーション化できるかをまずは知っていきましょう。

商品購入・ファン獲得までのフロー

①新規顧客のリード獲得
②リード作成
③アプローチ
④休眠顧客
⑤購入

この部分で自動化できるのは①~④の部分です。

具体的な行動だと、

・リスト作成
・メール配信
・リードの選別
・レポーティング
などがあります。

しかし、それ以外のことについてはオートメーション化することができません。そのため、マーケティングオートメーションは全自動化というより、人間が考えることに注力できるようにしたシステムと考えるほうがよいでしょう。

2.マーケティングオートメーションの重要性

マーケティングオートメーションの意味については理解してもらったかと思いますが、そもそも何故マーケティングオートメーションが必要なのでしょうか?

昔にはマーケティングオートメーションという言葉もありませんでしたし、以前と「マーケティングの考え方」も変わってもいました。今回より深くマーケティングを理解するために、マーケティングの時代の流れを追っていってみましょう。

<コトラーのマーケティング>
マーケティング 1.0:製品中心の考え方(製品中心)需要>供給
マーケティング 2.0:消費者中心の考え方(消費者志向)需要>=供給
マーケティング 3.0:人間中心の考え方(価値主導)需要<=供給
マーケティング 4.0:自己実現の考え方(自己実現)需要<供給

コトラーのマーケティング論を考えていきますと上のような理論が出てきます。

製品がなかった時代ではよりよい製品を作れば自然に売れました(1.0)。
しかし、製品があふれる時代になってきたため、消費者は「ものを買う」ことを優先するよりも「自分の自己実現ができるか」を中心に考えるようになってきました(4.0)。
そのため、自己実現ができるということを商品で見せないとものが売れなくなってきたのです。

それに伴い、マーケティングの手法も変化していきました。
今までは足で稼ぐのが営業と考えられてきましたが、いまではアナログ型から情報活用型(MA)に変化しています。

違いとメリット、デメリットを上げているので確認してくださいね。

アナログ型
集客型
情報活用型(MA)
手法

とにかく数をこなす戦略。1日に飛び込み営業を数百件したりテレアポを100~200件もかけたり、既存顧客を数十件回ることで商談獲得をしていた。

インターネットの普及により、見込み客は自らの手で情報を探し出すようになった。 そのため、ホームページに力を入れて検索順位を上げようと努力したり、広告で自社サービスを認知させるための施策を打つようになった。

追客業務が得意な営業担当者を追客専任に据えて、放置されてしまう見込み客を組織的かつ戦略的に育成していくことで、営業部門に供給されるリードの質と量をコントロールしていく活動。

メリット
数をこなすことで経験を積める。
展示会やホームページやSNSなどからリードを獲得して顧客情報を営業部門に渡すことで、プッシュの営業活動の負担が減り、より追客や提案に力を入れることができるようになった。
属人的だった見込み客情報を、しっかりとログデータとして取得・分析できる技術が発達。過去の履歴からユーザーの趣味嗜好や行動を把握し、ユーザーが求めている情報を配信することが可能になった。結果的に、営業は商談のみに集中できるようになり、安定した強い営業組織になった。

デメリット
営業担当が、リスト作成からアプローチ、商談、追客、アフターフォローまでを一人で行うため、業務が属人化してしまい、忙しさに比例して放置されてしまう案件が増えていた。
「供給される商談の質」がバラバラで検討レベルが低い見込み客が増え、供給される見込み客リストの重要度が下がってしまうケースも出てきた。

顧客も増加したがそれとともに見込み客が増えた。経営層や営業部門が追客の重要性を理解してはいても、費用対効果が悪いと考えられ、課題のままだった。
システムを構築するまでに時間がかかる。また、すぐに売上は出ないので軌道に乗るまでが時間かかる。

3.マーケティングオートメーションのメリット・デメリット

先程の表でも書いていた通り、マーケティングオートメーションにはメリットだけでなくデメリットもあります。そのため、自社でマーケティングオートメーションを行う際にはデメリット>メリットではないかを考えて行きましょう。

3-1.マーケティングオートメーションのメリット

・ファンをつくることができる
・見込み客の取りこぼしを防げる
・属人化しない再現性のある営業組織を作れる
・数値化しやすい
・受注率・案件化率が向上する

3-1-1.ファンをつくることができる

商品を作って売りっぱなしという状態になっていませんか?
商品を売ることに注力した結果、見込み客の人にアプローチしすぎて嫌われてしまうということが起こりがちです。よく言われる「ウザい広告」もその一つではないでしょうか。「欲しい」と思ったときに出てくる広告やメールなどアプローチをすれば「これが欲しかった!」と消費者の方も思ってくれ、ファンになってくれるでしょう

3-1-2.見込み客の取りこぼしを防げる

マーケティングオートメーションを活用することでいままで顕在化していなかった見込み客を取りこぼすことがなくなります。名刺交換はしたが契約には至らなかった、お問い合せはきたが受注されなかったなど記録には残らないけれど今後買ってくれる可能性があるお客様に対して必要なアプローチをすることにより、今後の受注率を挙げることができます。

3-1-3.属人化しない営業組織を作れる

営業に関してもともと得意な人、そうでない人が多くいます。教育でその技術を埋めたり、経験を積むことにより受注率をあげることができる場合もありますが時間と労力がかかります。また、引き継いだ案件や3年ほど時間が空いたあとに再び受注のチャンスが回ってくるということもあるでしょう。

今、担当している人ではない人が営業に行く場合、以前の情報を持っていた方が確実に有利です。しかし、属人化した組織だと他の人が欲しい情報などを自分が持っていたとしても引き継ぐことができず、また一から営業を始めることになってしまいます。属人化しない組織をつくることで成果をコンスタントに出すことができるようになるでしょう。

3-1-4.可視化しやすい

これが営業やマーケティングをする際に一番必要なことだと思います。営業ではアタック件数と受注件数は明らかでしたが、そのほかのどのようなアプローチをどんな人にしているのかはブラックボックス化していました。これを明らかにして一元化することで見込み客が見えるようになったり、どこのアプローチが失注に繋がっていたかがわかるようになります。

3-1-5.受注率・案件化率が向上し、安定します

メリット2でご紹介した内容と近いのですが、マーケティングオートメーションを用いていくとアプローチを適切にしていれば見込み客は、極端にいえば「誰でも受注できる」状態になっています。もともと営業の強い人に加え、弱い人も受注が取れるようになるため、受注率・案件化率が上がり、安定してきます。

3-2.マーケティングオートメーションのデメリット

・リード獲得は自力でやる必要がある
・リストのデータ化・移行・クレンジングが必要
・コンテンツがないと施策が回らない
・効果が出るまでに一定の期間が必要

3-2-1.リード獲得は自力でやる必要がある

マーケティングオートメーションで唯一といっていいほどできないことは「リードを獲得する」ことです。リードをコンスタントに獲得する仕組みを上手く作ることが必要です。この場合は営業マンにセミナーを定期的に開催してもらうなどでもいいですし、もっと仕組み化するのであればWebの資料をダウンロードした人にアプローチする仕組みを作るといいでしょう。

3-2-2.リストのデータ化・移行・更新が必要

マーケティングオートメーションでは最初が一番工数がかかります。いままで紙として保存していた情報をデータ化したり、Excelなどで管理していたデータを移行し、マーケティングオートメーションツールに追加する必要があります。また、企業の担当者が異動や退職などで変更する場合があるため定期的に更新する必要があります。

3-2-3.コンテンツがないと施策が回らない

マーケティングオートメーションでは様々な顧客に合わせてOne to Oneとして柔軟に対応していく必要があります。しかし、コンテンツがなければ対応することもできないため、個々に合わせたコンテンツを持っている必要があります。

3-2-4.効果が出るまでに一定の期間が必要

マーケティングオートメーションを使用し、ナーチャリングを行って結果が出るまでには時間がかかります。そのため、先行投資がある程度できるだけの余剰は必要となります。

4.マーケティングオートメーションで解決できる課題

上記で挙げてきたようにマーケティングオートメーションにはメリットもデメリットも存在します。そのため、ただ単にマーケティングオートメーションがいい、悪いではなく、マーケティングオートメーションが自社に必要かも考える必要があります。

自社のフェーズを見た上でマーケティングオートメーションをしたほうがいいのか、まだしないほうがいいのかを考えるのも必要です。

メリット・デメリットだけを見てきましたが、それだけでは実作業に落とし込みにくいと思うのでマーケティングオートメーションで使用できる機能を以下に記載していきます。

・リード管理機能
・Webサイト構築機能(サイト・ページ・フォーム)
・トレース(アクセスログ、アクションログ、企業IP取得)機能
・スコアリング機能(またはホットリード抽出)
・メールマーケティング機能
・シナリオ作成機能(キャンペーン)
・分析・レポート機能(BI)
・広告管理・分析機能
・パーソナライズ化(コンテンツの出し分け)
・各種ツール(SFAやCRM)との連携

これでもわかりにくいと思いますので今度は課題別に挙げていきます。

課題1 商談創出数(営業部門への案件パス数)が少ない
課題2 創出した商談(パスした案件)の質が低い
課題3 過去のリードを有効活用(リードナーチャリング)できていない
課題4 商談創出活動の生産性が低い
課題5 情報を蓄積・活用するためのツール活用体制やルールが未整備

5.マーケティングオートメーション運用のためのカスタマージャーニーマップ

顧客の心理行動を把握した上でタイミングを見計らってストーリーを伝えていくことが必要ですが、マーケティングオートメーションだけでは本当に顧客心理にあったサービスが展開できているかわかりません。顧客心理をわかりやすくするのがカスタマージャーニーマップです。

カスタマージャーニーマップは顧客がその商品を購入する、またはサービスを利用し、ファンになってもらうまでの顧客行動や心理をわかりやすく表したものです。

カスタマージャーニーマップを作成することでどのタイミングにメールや電話をすればいいのかなど自動化できるところもわかります。

一度、【カスタマージャーニーマップ】をご確認くださいね!

6.マーケティングオートメーションの選び方

現在、マーケティングオートメーションは様々に存在します。 どういった機能を有するツールが自社にとってもっとも効果を発揮するのか、「導入したけれど使いこなせない」という最悪の事態を防ぐためにマーケティングオートメーションの選定ポイントをご紹介します。

6-1.①目的を決定する

マーケティングオートメーションを選ぶ際に陥りがちなのは、機能の多さやサービスの充実度で決めてしまうことです。その機能を自社が使うのか、をよく吟味する際に必要なのが目的です。
なんのためにマーケティングオートメーションを使用するのかをよく理解してから導入してください。

6-2.②ゴールを決める

目的と同じくゴールを決めることも必要です。今回のゴールとはWebサイトにおけるコンバージョン(CV)を指しています。
例えば、お問い合わせや資料ダウンロード、会員登録やメルマガ登録、セミナー申し込みなどが該当します。どのポイントにどれだけ比重を置いていくかを設定しましょう。

それによってカスタマージャーニーやマーケティングオートメーションのポイントは変わってきますし、KPIを立てやすくなります。

6-3.③ターゲット

ウェブサイトに訪れるユーザーフェーズは、様々です。サービスに興味があるユーザーもいれば、購入を検討しているユーザー、まったく興味のないユーザーもいます。
そして、それぞれのユーザーに対して行う施策も異なります。興味のないユーザーに興味を持ってもらったり、興味はあるけれど購入までは考えていないユーザーに購入を検討させたりということですね。この施策が的外れだったり、強引すぎるとユーザーが離れていく原因になってしまったりもするので、どのターゲットにこの施策を打つのかは考え、PDCAをまわしていくといいでしょう。

6-4.④キャンペーンについて

キャンペーンとは、ユーザーの購買意欲を高めるための施策のことです。具体的には、ユーザーにどのタイミングでどのようなコンテンツを届ければユーザーの購買意欲が上がるかを考え、施策を行っていきます。

ユーザーの状態を把握するためのモデルがいくつかあるので、ご紹介します。

《スコアリングモデル》
ユーザーの属性・行動ごとに細かくスコアリングし、その内容に合わせて情報提供・営業活動を行うモデルです。
具体的には、「メールを開封(2点)、URLをクリックしてHPへ流入(2点)、特定の製品ページを見る(3点)、製品に関するデータをダウンロードする(5点)」のように設定しておき、行動に対して点数をつけて、ユーザーごとの点数を算出し、このスコアでユーザーを把握する施策です。
次で紹介するトリガーモデルに比べ、点数決めなど複雑なシナリオを考える必要があるため作成までにかなりの時間と工数がかかります。

《トリガーモデル》
スコアリングモデルのような複雑な設定はせずに、特定のユーザー行動ごとに次のフェーズへと移行させるモデルのことです。
具体的には、「1ヵ月の間に10回以上Webサイトを訪れており、かつ、会員になったユーザーにはこの内容のメールを送る」といった施策のことです。

まとめ

ここまで簡易ではありますがマーケティングオートメーションについてお話してきましたがいかがだったでしょうか。マーケティングオートメーションは複雑です。同じ商材を売っている会社でもターゲットが違えばマーケティングオートメーションの使い方は変わってきますし、まったく同じ使い方はありません。
しかし、基本的な考えかたはこの記事でご理解いただけたと思います。
まずは、目的から考え始めてくださいね!この記事がお役に立てば幸いです。

この記事を書いた人

Kazutoshi Hase
Kazutoshi HaseRABBIT CREATIVE, inc. CEO
大学在学中に動画制作を始める。外資系製薬会社でセールス・マーケティングを学んだ後、Love it(大好き)こそが、Creative(価値を生む)という信念を持って、RABBIT CREATIVE, inc. を創業。「人生を変える可能性を、世界へ届ける」というミッションを掲げ、強くて優しい仲間とともに、日本一の動画マーケティング企業を目指している。

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