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ペルソナマーケティングを成功させる3つの考え方

マーケティング

ペルソナマーケティングってよく聞くけど何なの?」と思ったことはありませんか?ユーザーニーズが多様化している現代でペルソナマーケティングは、必須のマーケティング手法となってきています。

この記事では、まずペルソナマーケティングについて軽く説明とペルソナマーケティングを行うときの方法や注意点などをお話ししていきます。ペルソナマーケティングをしたいと思っているけどやり方がわからないという方はぜひご覧ください。

1.ペルソナマーケティングを理解しよう

1-1.ペルソナとは?

フードを被って顔が見えない人が湖畔を眺めている

ペルソナについてまずお話していきましょう。ペルソナとは、自社の商品やサービスを購入、使用してくれる典型的なユーザー像のことです。

実際にその人物が実在しているかのように、年齢、性別、居住地、職業、役職、年収、趣味、特技、価値観、家族構成、生い立ち、休日の過ごし方、ライフスタイル……などリアリティのある詳細な情報を設定していきます。性格や価値観なども設定することにより、いままでにはない切り口の商品やサービスを生み出すことができます。

ちなみに、マーケティングでよく出てくる用語に「ターゲティング」もありますが、ペルソナとは少し違います。商品・サービスのユーザー像を考える点では同じですが、より深く詳細に人物像を設定していくのがペルソナ設定といえるでしょう。

具体例としては、以下のとおりです。

<ターゲット>
20代〜30代、女性、主婦、料理好き

<ペルソナ>
山田花子
28歳
女性
専業主婦
都内に住む
夫、長女(5歳)、次女(3歳)の4人家族
料理、カフェめぐり、ランチが趣味
Instagramで料理系のアカウントを日頃チェックしている
自身もレシピブログを開設している
友人とのやり取りではLINE、Facebookを使用することが多い

1-2.ペルソナマーケティングとは

机の上に眼鏡が置かれていて、その奥では複数人の男女が話している

ペルソナがわかってきたところで、ペルソナマーケティングとは何でしょうか?ペルソナマーケティングとは先ほど説明したペルソナを使用し、そのペルソナのニーズを満たすような形で商品やサービスを設計するというマーケティング手法です。

今までは供給よりも需要が多かったためペルソナがいなくても商品は勝手に売れていました。しかし、大量生産が可能となった現代ではただ商品を作るだけでなく、「こんなものが欲しい」というニーズに答えなくてはいけなくなりました。

多様化するユーザーニーズに対応するために画一的な製品ではなく、一部のユーザーに爆発的な支持を得られるペルソナマーケティングが必要となったのです。

2.ペルソナマーケティングをするメリット

ペルソナマーケティングという言葉自体は理解していただけたかと思います。ここではペルソナマーケティングをするメリットを挙げていきます。

2-1. 担当者間で「共通認識」ができる

黒人の女性と白人の男性がおパソコンの前で仲良く話している

担当者間で認識がズレてしまうと無駄な作業が発生したり、スケジュールが遅れるといったトラブルが起こりやすくなります。例えば、”20代女性”といっても考える人によって”清純な20代女性”だったり”ギャルのような20代女性”など様々です。そのままだと歪んだままプロジェクトが進行してしまい、とんでもない事態に発展してしまうこともあるのです。そこでペルソナという共通認識を置くことにより、担当者間でのやりとりがスムーズになっていきます。

ペルソナという1人の代表的な人格を設定することで、異なる分野の担当者とも共通の人物像をイメージすることができ、効率よくプロジェクトを進めることができます。

2-2. 顧客視点をより深く深掘りできる

男女が会議をしている

定量的データや一定の定性的データをもとに考えた詳細なペルソナは、大量のデータから成る1つの人格のようなものです。そのペルソナのニーズを満たすような商品やサービスを考えることは、結果として多くのユーザーのニーズも満たすことにつながります。

また、ユーザーについて価値観や性格なども深堀ができるようになったため、パッケージの色を一つ決めるにもペルソナ設定から考えることができ、ユーザー視点をより高めてくれます。ユーザー視点をより高めることで商品やサービスの完成度を高めることにもつながるのです。

2-3. 時間やコストの削減ができる

現金が敷かれているうえに豚の貯金箱がある

上記の共通認識ともつながりますが、ペルソナを設定することによりプロジェクトの方針もはっきりとしてきます。そのため、アイディアや商品・サービスを作成する際にも方向性をずらすことがなく一点に絞ることができ、作業時間・実施のコスト削減が可能となります。

これがペルソナマーケティングのメリット3つです。

3.ペルソナマーケティングを実践するときの注意点

3-1.データや事実から作成する

パソコンのディスプレイにはコードが映し出されていて、その奥では女性二人が付箋をみながら話している

ペルソナマーケティングを実践するとき、一つ目に陥りやすいことに関しては「ペルソナ目線だと思い込んで」ペルソナを作ってしまうことです。例えば、自分のチームに20代女性がいないのに20代女性向けの商品を作ることになった場合、「20代女性ってこういう人ではないか」と憶測でペルソナ設定作りをしてしまうことがあります。

そのペルソナがずれてしまっていると作成する商品・サービスもずれた人に届きかねません。そこでペルソナをずらさないためにデータやアンケートなどの事実から作成することが必要なのです。

3-2.必要な情報に絞る

ペルソナは代表的な架空のユーザー1人を作成するものです。情報があると詰めこみたくなりますが、ペルソナ設定を詰め込みすぎてしまうとかえって動きにくくなる可能性があります。そのため、場合によっては収まりきれない部分は切り捨て、必要な情報だけに絞る必要があります。

3-3.担当者、関係者全員にイメージしやすい状態にする

男女が付箋を見ながら話している

いくらペルソナを作成しても、作成者以外の関係者が同じイメージを持てなければ意味がありません。ペルソナ作成の目的は、代表的なユーザーの人物像を担当者間で共有することなので、イメージしやすい必要があります。イメージしやすくする方法としては写真を活用したり、具体的な数字、好きなブランド名などより具体的にするなどがあります。

3-4.ペルソナを作りっぱなしにしない

ペルソナは実際に存在する人物像をリアルにイメージして作成していますので、参考にしているユーザーの環境、情報も常に変化します。そのため、作成したらそのままではなくは定期的に見直しが必要になります。

一か月に一回や、データが出てくるたびに更新するなどいつ更新するのかを決めてアップデートしていくとよいでしょう

4.ペルソナを作る時の観点

ロボットが鉛筆で何かを書こうとしている

ここまでペルソナマーケティングの説明やメリット、注意点を説明してきました。ここからはペルソナ設定をする際の説明をしていきます。今回はB2B用とB2C用設定2パターンを用意しています。商品やサービスによって必要なペルソナ設定は変わってくるため、このペルソナシートは基本として自分たちのビジネスに合うよう、カスタマイズしていってください。

4-1.B2C用ペルソナシート観点

  1. 年齢
  2. 性別
  3. 居住地
  4. 仕事(法人または個人事業主、会社員など分類する)
  5. 生活スタイル(起床就寝時間、通勤時間や通勤方法、外食回数、嗜好パターン)
  6. 最終学歴
  7. 価値観
  8. 家族構成や恋人の有無
  9. 年収や経済状況
  10. 今後挑戦したいことや趣味
  11. スマホやパソコンの使用状況など

4-2.B2B用ペルソナシート観点

  1. 年齢
  2. 性別
  3. 居住地
  4. 仕事(法人または個人事業主、会社員など分類する)
  5. 会社(何人規模のベンチャーか、中小企業、肩書、業種)
  6. 痛み(個人の)
  7. 痛み(会社の)
  8. 価値観
  9. 家族構成や恋人の有無
  10. 実現した場合のゴール
  11. スマホやパソコンの使用状況など

5.実践!ペルソナマーケティング

5-1.ペルソナ設定をするときの流れ

大まかに誰をターゲットにするか決める
ターゲットを深堀りして情報収集をする
収集した情報を整理し、まとめる
ペルソナを作り上げる

5-2.ペルソナ設定①大まかに誰をターゲットにするか決める

男性と女性がコーヒーを飲みながらグラフについて話している

ここではターゲットにしようとしている人物をあげます。ざっくりと「30代の男性」や「お菓子が好きな男性」など簡単なもので結構です。ここでの目的はターゲットを深堀りしていくのにも軸が決まっていないと情報が分散してしまうため、仮決めをするというものです。そのため多数出しても問題ありません。

もしも商品が決まっているのでしたら商品を買ってくれそうなユーザーでもいいですし、逆に買ってくれなさそうなユーザーを深堀していってもいいでしょう。

5-3.ペルソナ設定②ターゲットを深堀りして情報収集をする

男性がパソコンを見ながら作業をしている

ターゲットを決めたら深堀を開始します。何を調べたらいいのかわからない人のために調べておくと良い情報を集めましたので参考にしてください。

5-3-1.B2Bのペルソナを考える際に情報収集するもの

役職と仕事の概要
その仕事に必要なスキルや知識
1日の過ごし方
業界の概要と特徴
会社・組織の規模(売上や従業員数など)
仕事の責任範囲
達成すべき目標
今解決すべき課題やチャレンジ
新しい情報の入手の方法
よく読む雑誌やブログ、Webサイトなど
よく使うソーシャルメディア、ソーシャルなつながりなど
情報入手によく使うデバイスとその利用シーン
年齢、家族構成、学歴、収入など
購買に優先する項目
業者との接触方法(電話、メール、面会など)
製品やサービスを調べるにあたっての行動パターン(インターネット、展示会、セミナーなど)

5-3-2.B2Cのペルソナを考える際に情報収集するもの

1日の過ごし方
新しい情報の入手の方法
よく読む雑誌やブログ、Webサイトなど
よく使うソーシャルメディア、ソーシャルなつながりなど
情報入手によく使うデバイスとその利用シーン
年齢、家族構成、学歴、収入など
購買に優先する項目
製品やサービスを調べるにあたっての行動パターン(インターネット、セミナーなど)
趣味
健康・運動

ペルソナを考える際には行動や言動そのものをとらえることも大切ですが、なぜその行動をしたのかどんな価値観による言動なのかなど理由や動機、価値観にフォーカスするとよいでしょう。

5-4.ペルソナ設定③収集した情報を整理し、まとめる

男性がデータをまとめている

ペルソナ設定では、ただ情報を収集するだけでは人物像は見えてきません。まずは収集した情報をグルーピングしてどんな人物なのかを探ってみてください。

例えば以下のような情報です。

年齢、家族構成、年収などのデモグラフィック
役職レベル
1日の過ごし方
価値観:達成しようとしているゴールなど
抱いている悩みや課題
あなたの製品やサービスを利用する動機
情報源、情報収集の方法

5-5.ペルソナ設定④ペルソナを作り上げる

パソコンをひらきながら何かを話している

まとめることができたら、最後にペルソナを作り上げましょう。

ペルソナの基本情報(デモグラフィックや役職、所属会社や組織)
ペルソナの1日の生活(BtoC)・業務内容(BtoB)
ペルソナが持つゴールや課題、チャレンジ
ペルソナの情報との接し方(情報源、接触タイミング、接触方法)
製品やサービスの選び方(購買行動と関与の方法)
よく口にする言葉(ペルソナの特徴がよく出るように)

すべて完璧にしようと思うと時間がかかってしまうので、情報がとれなかったもの、取得するのに時間がかかるものはよほど重要なこと以外では除外して考えてみましょう。

5-6.ペルソナ事例

作成したペルソナの事例です。ここまで考えられると共通認識が担当者間でとりやすくなります。

また、作成した本人にはわかっていても読んだ側ではわからない場合もあるので作成していない人にチェックしてもらい、アップデートするとよりよいものとなるでしょう。

5-6-1.ペルソナマーケティングで大成功した【スープストックSoup Stock Tokyo】

Soup Stock Tokyo の成功は、ペルソナマーケティングにあります。

作成されたペルソナの名前は秋野つゆ。
創業者の遠山さんは、秋野つゆに、37歳の女性で、都心で働くキャリアウーマン、装飾性よりも機能性を重視していて、フォアグラよりもレバーが好き、プールでは平泳ぎではなくクロールで泳ぐ、というような属性をつけていきました。
そしてこの秋野つゆを満足させる形で、メニュー、店舗の場所や雰囲気を考えていきました。
その結果、わずか10年で売上高42億円、店舗数52店舗という成功を収めるまでになりました。

5-6-2.スナック菓子の常識を打ち砕いたカルビー

当時、スナック菓子は「20代~30代の女性」の層で人気が出ないと考えられていました。カルビーのジャガビーはその常識を破った最初のスナック菓子です。

実はこのジャガビーの開発・成功の裏にもペルソナがいました。
カルビーは、定量データを基に、「27歳」、「独身女性」、「文京区在住」、「ヨガと水泳に凝っている」などのプロフィールを持つペルソナを作成しました。またカルビーは、ペルソナがよく読むであろう「Oggi」で活躍中であったモデルのヨンアをCMに起用したり、パッケージのデザインを落ち着いた色合いにするなど、随所でペルソナのニーズを満たすような形をとりました。

結果、ジャガビーは生産が追い付かず販売中止になるほどの成功を収めました。

6.ペルソナマーケティングまとめ

ここまでペルソナマーケティングを説明してきましたがいかがだったでしょうか。作成する方法がわかったのであれば幸いです。しかし、ペルソナマーケティングはペルソナを作るまでではなく、作成してからが本当のマーケティングです。そのためペルソナを作成してからどの媒体でどのように戦略を打つのかマーケティング戦略を打って行ってみてください。

ほか記事で、ペルソナを使ってマーケティングを実践するための記事もあるので気になる方は確認してくださいね。

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この記事を書いた人

Kazutoshi Hase
Kazutoshi HaseRABBIT CREATIVE, inc. CEO
大学在学中に動画制作を始める。外資系製薬会社でセールス・マーケティングを学んだ後、Love it(大好き)こそが、Creative(価値を生む)という信念を持って、RABBIT CREATIVE, inc. を創業。「人生を変える可能性を、世界へ届ける」というミッションを掲げ、強くて優しい仲間とともに、日本一の動画マーケティング企業を目指している。

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