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10分でわかるカスタマージャーニーマップの作り方

マーケティング
女性が紙袋をもって笑いながらこちらをみている

カスタマージャーニーとよく聞きますが、一体どのようなものなのでしょうか?製品が主体ではなく顧客第一になった現在では顧客の感情や行動を分析し、商品を買ってもらうための筋道を作ることが重要となりました。その顧客を知るために重要なのがカスタマージャーニーマップです。今回はカスタマージャーニーとは何か?ということからマップを一人で作成できるようになるまでの方法と注意点をお話しします

1.カスタマージャーニーとは

CUSTOMERSATISFACTIONにチェックがつけられている

カスタマージャーニーとはペルソナの動き(行動・思考・感情)を時系列で見える化したもので、直訳すると「顧客の旅」になります。ペルソナの動きを見える化することで、顧客とのタッチポイントを洗い出し、適切な場所・タイミングで適切な情報を伝えることができるようになります。それをわかりやすくまとめたものをカスタマージャーニーマップというのです。

2.カスタマージャーニーマップを作成するメリット

女性がパソコンの前に座ってこちらを見ている

カスタマージャーニーマップをつかうことで発生するメリットは多々ありますが、大きく分けると4つに分類できます。カスタマージャーニーマップを使ったほうが効果的なのかそれともそうでないのかを見ながら確認してみてくださいね。

2-1.顧客目線で施策が打てる

女性二人が店頭で何かを見ながら話している

顧客がどのような購買プロセスで、自社の製品・サービスを購入しているかを正確にイメージできているマーケターはどれぐらいいるでしょうか?

店頭購入やwebの広告からの購入、SNSの口コミからの購入…現在は様々な購入経路や情報収集の手段があり、年々顧客目線から施策を考えるのは困難になってきています。また、Webサイトやアプリの行動ログやアンケート調査などで断片的には顧客の行動を理解していても、顧客が全体としてどのような動きをしているかを把握するのは難しいものです。オンラインとオフラインが融合していないことが一番わかりにくくなっている原因とも言えます。

カスタマージャーニーマップでは、ペルソナの動き(行動・思考・感情)を時系列で見える化し、体験全体をシンプルなストーリーとして表現するため、マーケターは顧客の行動を深く理解できるようになります。体験全体を見える化することで、顧客目線で考え、顧客に寄り添ったマーケティング施策を考えられるようになります。

顧客の行動を理解せず、"なんとなく"で行うマーケティング施策ややたら広告をだすことは効果が出にくいのはもちろん、「消費者の邪魔をするマーケティング」だとみなされ、顧客から嫌われてしまいます。

例えば、新卒採用サイトをリニューアルしたい場合、採用サイトというタッチポイントを考えるだけでは不十分です。顧客が、リクナビやマイナビなどの就職情報サイト、大学のキャリア相談センター、企業の合同説明会、友人との会話など、採用サイト以外の複数のタッチポイントを経由していることを明確化することで、採用サイトに持たせる役割や伝えるメッセージも変わってくるでしょう。

2-2.社内で共通認識が持てる

複数人が紙のグラフの上で握手をしている

カスタマージャーニーマップを用意する最大のメリットは、チームの共通認識を作れることです

文字だけの情報でなく図式化されていることで、複数の人が短時間に、直感的に理解できます。マーケターはもちろんのこと、すべての社員にとって、自分たちの顧客について理解しやすくなります。カスタマージャーニーマップがあれば、共通認識ができるので「どの段階の顧客の、どの課題を解決する」という、コンテンツが果たすべき目的や、ペルソナ像がより明確になります。

コンテンツを作る際に、まさに地図のように、自分たちが迷わないように活用できると思います。

2-3.コンテンツ企画、制作の軸ができる

パソコンを見ながらグラフに何かを書いている

従来のコンテンツ制作では、各担当者の主観が入り、当初の目的からずれが生じる危険性があります。

このような場合も、まさに地図としてのカスタマージャーニーマップがあれば、「どんな顧客の、どんな課題を解決するのか」というコンテンツの目的やペルソナをより明確にでき、自分たちの路線に迷いがないようナビゲーションしていくことが可能になります。

2-4.施策の企画・運用がスムーズになる

コーヒーを飲みながら男性が紙のデータを見ている

軸があると一つ一つの施策を考える際にわざわざ合意をとらずとも動くことができ、スピーディな対応が可能となります。また、大枠の方向性が決まっているので最終的なすり合わせ段階で大きく崩れることがありません。また、ほかの施策との連携もとりやすくなるためマクロな視点で考えやすくなります。

3.カスタマージャーニーマップの作り方

小さな女の子が地図を眺めている

ペルソナ設定をする
ペルソナのCVポイントを設定する・商品を決める
カスタマージャーニーマップのフレームを設定する
ペルソナの行動や感情、疑問を探る
ペルソナの課題を探る
顧客の課題に感じそうなことを洗い出す
顧客の課題を解決できる方策を洗い出す

しかし、それを考える前に自分の対象となる顧客がB2Bの顧客なのか、B2Cの顧客なのかを一度振り返ることが必要です。

B2Bの顧客なのか、B2Cの顧客なのか認識を間違えると少しずれたカスタマージャーニーマップできてしまうので気を付けましょう。

3-1.カスタマージャーニーマップを作る上でのB2BとB2Cとの違い

カスタマージャーニーマップを作る上でB2BとB2Cとの違いは大きく分けて4点あります。一緒に考えていきましょう。

購入に至るプロセスが違う
購入に至る期間が違う
検討する人数が違う
検討する立場が違う

個人のお客さんをAさん、法人のお客さんをBさんとして考えてみましょう。Aさんに売りたいものは例えば健康サプリメント。Bさんは大手の会社の人事部長さんで、Bさんには人事労務アプリを売りたいと思っています。

3-1-1.購入に至るプロセスが違う

Aさんを考えてみると、カスタマージャーニーマップは認知→興味→調査→比較→検討→購入というシンプルな構造です。
しかし、Bさんを考えてみると、認知→興味→調査→比較→検討→稟議→購入というプロセスになります。法人で購入をしてもらうので稟議を通せるように複数人を攻略する必要があるのです。

3-1-2.購入に至る期間が違う

次に、購入に至る期間をカスタマージャーニーマップで考えてみましょう。Aさんが買うのは健康サプリメントなので比較的値段も安く、予算の権限を持っているのもAさんです。しかし、Bさんは会社の予算を使用します。会社の予算は年度ごとにすでに決まっていることが多く融通がききづらいため話をしに行って、実際に導入してもらうのが半年先などという場合も多いです。そのため期間も考えて計画を立てる必要があるのです。

3-1-3.検討する人数が違う

先ほどもこれはお話ししましたが、法人になると検討する人数も増え、納得をさせる必要がどんどん増えてきます。そのため、担当者の方が上司を説得しやすくするための仕組みを考える必要もでてきます。そのためにはデータが必要となってくるのです。

3-1-4.検討する立場が違う

検討する人数が違うことは上記でもお話ししましたが、立場という面でも考えることは必要となってきます。例えば人事のただの担当者と人事部長では見ている目線が違います。担当者はただ「人事労務を自分がするのが大変だから改善したい」かもしれませんが、部長になってくると「会社としてこれくらい損失がでているから改善するほうが効果的だ」という話し方をしたほうが刺さりやすい場合があります。

長々と話してきましたがご自身が行う際にターゲットが個人か法人か、商品やサービスは何かによって変わってくるのでカスタマージャニーマップを埋めていく前に自分たちの顧客やサービスと合致しているのかを考え、その都度改変していくといいでしょう。

3-2.ペルソナの設定をする

机の上にほんとメモ帳とパソコンと眼鏡が置かれている

ペルソナ設定とは、端的にいえば架空の顧客像を設定することです。商品やサービスを買ってくれるであろう、架空の人物(ペルソナ)を想定しそのプロフィールを詳細に設定していくのがペルソナ設定です。以前までの「層」で捉えていたターゲットをより詳細に捉えていくことにより、性格や行動、何を考えて商品を買うのかなどの価値観まで見えてくるので、よりターゲットに刺さりやすい商品・サービスを考えることができます。

ペルソナマーケティングを成功させる3つの考え方

3-3.ペルソナのCVポイントを設定する

ペルソナ設定まで行ったら次はペルソナのCVを設定します。CVとは「コンバージョンレート」の略で顧客が商品を買うなどの「目標到達となる行動」のことです。

ただ単に「商品を購入する」というCVのこともあれば、「サービスの会員登録」という場合もあります。それぞれでCVポイントを決めましょう。

3-4.カスタマージャーニーマップのフレームを設定する

次に、実際にカスタマージャーニーマップを作成していくためのフレームワークを作成します。以下がフレームに用いられる要素の基本となります。

横軸:認知、興味・関心、調査、比較、検討、(稟議、)購入、
縦軸:タッチポイント、行動、思考、感情の揺れ、課題、施策

B2Bも、B2Cもまとめて書いているので自身の商品・サービスに合わせたフレームにしてくださいね。

3-5.カスタマージャーニーからペルソナの行動や感情、疑問を探る

続けて、ペルソナの行動に合わせてマッピングを行っていきましょう。上から順に入れていくイメージです。まずは行動の部分を入れていきましょう。商品を買うまでの流れのため、比較検討や調査する場面では複数の選択肢を思いつく限り入れて問題ありません。

それに合わせて次は思考や感情の揺れなどを記入していきましょう。調査している際に実際に思うであろうことやアンケートで書いてあったことを参考にしてください。感情の揺れはその商品を買うまでにプラスの感情になるとき、マイナスの感情になるときを想定し、商品やサービスによってプラスになる要因をつくれるかを考え、目に見えるようにしていきましょう。

3-6.カスタマージャーニーマップからペルソナの課題を探る

紙とパソコンのデータを眺めている

今度はカスタマージャーニーマップ上段の行動や思考、感情の揺れから顧客が商品を買うまでに課題に感じると想定されることを洗い出してください。例えばWebサイトの購入画面への遷移の仕方がわかりにくいという場合、購入までの課題といえるでしょう。こちらもアンケートやデータなどから記入をしていってください。

3-7.カスタマージャーニーマップから顧客の課題を解決できる方策を洗い出す

最後に先ほど出た課題を解決、または軽減できるような施策を記入していきましょう。方策もいくつあってもかまいませんので出せるだけ出してみましょう。実現可能性があるものを追加してもかまいませんし、まずは出すことが重要であればほかの用紙に付箋を貼り、アイディアを出し合ってもいいでしょう。絞り込むのは難しいのでまずは広く考えてみることが重要です。

4.カスタマージャーニーマップを作るときの注意点

机の上に紙を広げ男女3人がメモをしている

ここまでカスタマージャーニーマップを作る方法について説明してきましたがいかがだったでしょうか。カスタマージャーニーマップは顧客の商品購入までの行動に関して流れを見るためには最適のツールです。しかし、このカスタマージャーニーマップも作る方法が間違っていると効果を発揮してくれません。カスタマージャーニーマップを効果的に使用するために作成するときには注意したいことがあります。

4-1.あくまでペルソナ目線で考える

男性が女性になにかを見せている

一つ目に陥りやすいことに関しては「ペルソナ目線だと思い込んで」カスタマージャーニーマップを作ってしまうことです。例えば、自分のチームに20代女性がいないのに20代女性向けの商品を作ることになった場合、「20代女性ってこういうひとじゃないか」と憶測でペルソナ設定やカスタマージャーニーマップ作りをしてしまうことがあります。そうするとペルソナ目線で考えず、自分の気持ちが入ってしまうことがあります。こうなると根本がずれてしまうので狙った人にメッセージが届きません。回避するためには、あくまでペルソナ目線で考えるということが必要になるのです。

4-2.お客様にヒアリングしてみる・データで落とし込む

誰かに紙を見せながら何かを話している

上記でもお話ししましたが、カスタマージャーニーマップを作る際には思い込みで作成することはやってはいけないことです。そのため、不特定多数の定量的データと定性的データが必要になってきます。ペルソナ設定でも大事なことですが、ペルソナで作り上げるのは「そのセグメントのなかの情報の集合体」です。できるだけ多くの人から作り上げた一人であって、誰か一人をそのままペルソナにすることではないのです。もちろん、身近にいる20代女性でもいいのですが、その人がすべての20代女性の中央値なのかは見極めたほうがいいでしょう。

そのため、ヒアリングやデータを取るときも注意して取り、落とし込む際もずれていないかはチェックしてみるといいでしょう。

4-3.定期的に改善していく

重要性と書かれたノートが広げられている

カスタマージャーニーマップ、一度作って満足していませんか?
顧客の周りの環境は少しずつですが変化しています。また、環境が変化することにより、顧客行動も変化していきます。そのため、カスタマージャーニーマップは定期的に見直しが必要になります。

また、新しく出てきたデータにより、顧客の課題が新たに出てくる場合もあります。そのためデータが出てきた際に随時更新や、一か月に一回見直しなど期間を決めて改善をしていくとよりよいカスタマージャニーマップの使い方ができます。

5.カスタマージャーニーまとめ

カスタマージャーニーマップを作成する際、活用する際にはただ作るのではなく、何のためにつくるのかを明確にして作成することが必要です。

自分たちが売りたい商品・サービスはどんなものなのか、誰に刺さるのかを十分ディスカッションしながら作成してみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

Kazutoshi Hase
Kazutoshi HaseRABBIT CREATIVE, inc. CEO
大学在学中に動画制作を始める。外資系製薬会社でセールス・マーケティングを学んだ後、Love it(大好き)こそが、Creative(価値を生む)という信念を持って、RABBIT CREATIVE, inc. を創業。「人生を変える可能性を、世界へ届ける」というミッションを掲げ、強くて優しい仲間とともに、日本一の動画マーケティング企業を目指している。

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